カレンシー・レボリューションあらすじ
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カレンシー・レボリューションあらすじ

1935年。アメリカの銀価格吊り上げ政策の影響を受け、銀本位制を採る中国経済は深刻なデフレーションに陥っていた。恐慌から脱するためには銀本位制を捨て去る抜本的な通貨制度の改革しか道はない。中国に多大な権益を有するイギリスは中国経済を建て直すため大蔵省のリース=ロスを団長とする金融専門家使節を上海に派遣した。リース=ロスやその補佐官エドマンドらは、中国経済界の若き英傑、宋子文とともに幣制改革に着手する。

幣制改革成功のためには潤沢な外貨準備が必須で、国じゅうの銀をアメリカに売却してドルを獲得するか、イギリスからのポンド借款を得なければならない。しかしアジア・モンロー主義を採る日本は英米の中国経済への干渉に強く反発し、日本との対立を避けたい米国務省や英外務省は中国支援に消極的だった。米財務省は銀価格高値維持のために中国が銀本位制を保つことを密かに望み、英大蔵省は中国をスターリング・ブロックに入れるというもうひとつのアジェンダをもっている。エドマンドは日英中三国の利益になるはずのポンド借款スキームを発案するが、複雑な東アジア情勢のなかで断念を余儀なくされてしまう。

日本を訪れたリース=ロスらに日本政府の反応は冷たかった。中国を支援しても軍備に流用されることを表向きの理由としつつ、その実は、幣制改革により中国がひとつにまとまり、頑強な経済的基盤を得ることを軍部が恐れているのだ。経済学博士号を有し米留学経験もある異才、森尾陸軍三等主計正は幣制改革阻止の任を帯び、上海にわたって元の売り仕掛けを実行する。元は急落した。エドマンドは森尾と接触し、森尾の真の狙いは幣制改革の阻止とは別にあることを知った。

元の下落が止まらない。ここでもし突発的な事件が発生すればマーケットはパニックに陥るに違いなく、その場合はもはや危険を冒しても幣制改革を断行すべきなのかもしれない。蒋介石に判断をあおぐと、蒋介石は週明けに改革を実行するよう指示した。その態度は、まもなく大事件が発生することを知っているかのようだった。

中国政府には外貨準備がほとんどなく、このまま幣制改革が実行されると元は暴落し、取り付け騒ぎや銀行破綻が発生するだろう。それを回避するためには、治外法権を有し中国政府の命に従う義務のない外国銀行による銀拠出が必要だ。宋子文はリース=ロスに、上海の英系銀行が中国政府の要請に応じるよう説得を依頼した。しかし英系銀行は顧客保護の視点から要請に従おうとせず、英大蔵省の意向を受けているリース=ロスも元がスターリング・ブロックに入ることが説得の条件と譲らない。このままでは週が明ければ中国経済は崩壊の危機に瀕する。だがエドマンドには、伝家の宝刀ともいうべき秘策があった……

(全187ページ)

■目次

 山海関
 東 京
 共同借款
 思 惑
 暴 落
 改革前夜
 幣制改革

小説集 カレンシー・レボリューション

近代外交経済小説の表題作および『ステーツマン』『上海ノース・ステーション』の三篇を収録

2017年5月15日刊行

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