瓦氏夫人〜倭寇に勝ったスーパーヒロイン
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瓦氏夫人〜倭寇に勝ったスーパーヒロイン

16世紀の広西壮族のスーパーヒロイン瓦氏夫人をモデルとして描く大河小説。
リアル『ムーラン』。

日本では川中島の合戦がおこなわれていたころ、上海近郊の海岸で倭寇軍と明軍とが激突した。勇猛な倭寇の大軍に対し連戦連敗を喫した明朝は中華一精強といわれる「狼兵」の投入を決める。狼兵を率いるのは「私もう決めたから。あとはやるだけ」が口癖の天真爛漫な美女、花蓮。中国南部の覇者だった夫の不幸な死や、その後の激しい後継争い、知の巨人王陽明との出会いなど、波乱万丈の半生を生きてきた彼女は、無双の弓術と卓越した戦術、自ら鍛え上げた兵により、「胡蝶の陣」を駆使する日本人軍師を打ち破り明朝に初めての勝利をもたらす。


著者 大薗治夫
第2版 2021年12月28日発行
 
ペーパーバック
  ISBN : ‎ 979-8782208165
  価格:1850円(税込)(定価1682円)
   

   
電子書籍(Kindle)
   価格:1250円(Kindle unlimitedで 0 円)
   
〔電子書籍(Kindle)〕



■目次

第一章 覇者岑猛
   流亡
   復興
   覇権
   岑猛の乱
第二章 政権奪取
   盧蘇・王受の乱
   後継争い
第三章 海へ
   江浙の旅
   海南派兵
第四章 王江涇
   嘉靖大倭寇の始まり
   着陣
   転戦
   王江涇の戦い

■あとがき


■主要登場人物(日本語読みの五十音順で記載)

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韋好(いこう):韋氏夫人の父。弟の韋璋は岑猛により斬られる。
韋氏夫人(いしふじん):岑猛の美しい第三夫人。邦相の母。
玉音(ぎょくおん):花蓮の侍女。花蓮の年長で、ときに花蓮の暴走を窘める。
王陽明(おうようめい):陽明学の開祖。民政にも優れる。明屈指の名将。
阮袞(げんこん):武術大会で登用された棒の達人。元は徽州歙県の商人。
黄維(こうい):武術大会の相撲部門で登用された桁外れの膂力の巨漢。
徐海(じょかい):倭寇の巨魁。元は杭州の僧侶。
杉沢庄次郎(すぎさわしょうじろう):日本人海商。博多の武士で胡蝶の陣を操る軍略家。
胡宗憲(こそうけん):浙江巡按監察御史。のちに浙江等総督に就任。
鐘富(しょうふ):槍の名手。常に岑猛、花蓮の側にいて身を守る。
岑栄(しんえい):田州府土舎。岑猛、花蓮の側近で、外交を担う。
岑花蓮(しんかれん):岑猛の妻。弓の名手。抜群の統率力で倭寇を撃破する。
岑瓛(しんかん):花蓮のやさしい兄。岑璋を継いで帰順州土官に。
岑匡(しんきょう):岑栄の子。若き軍師。花蓮に諫言も厭わない。
新五郎(しんごろう):堺の大商人の次男。杉沢庄次郎の下で海商となる。
岑芝(しんし):岑猛の嫡男邦彦の子。
岑氏夫人(しんしふじん):岑猛の大叔母。竜州土官知州趙源の妻。
岑濬(しんしゅん):思恩府土官。岑猛の遠戚。凶暴で田州を乗っ取る。
岑璋(しんしょう):帰順州土官。花蓮の父。策謀を好む。
岑接(しんせつ):泗城州土官。残虐無比で、岑猛と対立する。
岑猛(しんもう):田州領主。花蓮の夫。広西右江流域の覇者に。
戴慶(たいけい):田州土目。羅玉になにかと迎合する。邦相派。
張經(ちょうけい):岑猛討伐軍の参将。のち浙江等総督で倭寇を討伐。
張氏夫人(ちょうしふじん):岑猛の第一夫人。邦佐の母。
趙臣(ちょうしん):正千戸。謀略好きで、岑璋とは旧知の仲。
趙文華(ちょうぶんか):巡視東南防倭事宜。奸臣として明史に残る。
陳金(ちんきん):両広総督、江西総制等歴任。岑猛の才を認める。
陳雪嬌(ちんせつきょう):倭寇に襲われた村の生残りの少女。脅威の視力。
寧王(ねいおう):明の太祖洪武帝の子寧王朱権の五世の孫。帝位を狙う。
莫蘭(ばくらん):花蓮の侍女で間者。長距離を走るのが得意。
邦彦(ほうげん):岑猛の二男。林氏夫人の子。
邦佐(ほうさ):岑猛の長男。張氏夫人の子。武靖州土官。
邦相(ほうしょう):岑猛の四男。韋氏夫人の子。
姚鏌(ようばく):提学僉事。のち両広巡撫に就き岑猛討伐を実施。
姚淶(ようらい):桂林宣成書院での岑猛の学友。のち状元。
羅玉(らぎょく):田州土目。盧蘇と仲が悪い。邦相派。
劉瑾(りゅうきん):宦官。正徳帝の寵愛を受けて朝政を壟断した。
林氏夫人(りんしふじん):岑猛のやさしい第二夫人。嫡男邦彦の母。
林玲玲(りんりんりん):元東蘭州の剣客。二刀流の使い手。
盧蘇(ろそ):田州土目の筆頭格。田州の総管(宰相)。

■主要用語説明(日本語読みの五十音順で記載)

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衛所(えいしょ):各地の軍事要衝に設置される約五千人の屯田兵施設。
炎徼紀聞(えんきょうきぶん):一五四〇年代に広西に赴任した田汝成著の史書。
海道(かいどう):省レベルの文官の海防長官。
改土帰流(かいどきりゅう):原住民による統治から中央官吏の統治への転換。
歌墟(かきょ):対歌(歌の掛け合い)をおこなう祭り。
衙門(がもん):役所(行政施設兼官邸)のこと。
軍門(ぐんもん):総督のこと。
校尉(こうい):佐官クラスの軍人。
江西総制(こうせいそうせい):叛乱討伐のために設置された総督級の臨時職位。
参将(さんしょう):准将クラスの武人。
巡按監察御史(じゅんあんかんさつぎょし):中央政府から派遣される地方行政の監察官。
巡撫(じゅんぶ):地方の軍事・行政にまたがる長官。いわば省長。
尚書(しょうしょ):六部の長官。いわば中央省庁の大臣。
承宣布政使(しょうせんふせいし):省の行政長官
巡視(じゅんし):臨時の地方軍事長官。
侍郎(じろう):次官。各組織のナンバーツー。
千戸所(せんこしょ):衛所隷下の千人規模の部隊。
僉事(せんじ):一般的に組織のナンバースリー。
総管(そうかん):宰相。
総督(そうとく):地方の軍事・行政長官。一般的に巡撫より官位が上。
総兵官(そうへいかん):地方方面軍の司令官。
知府(ちふ)と知州(ちしゅう):府知事と州知事。府のほうが州よりも上位。
籌海図編(ちゅうかいずへん):一五六二年に完成した倭寇研究の書。
鎮守太監(ちんしゅたいかん):地方軍を監察する宦官。
東廠(とうしょう):皇帝直属の諜報機関。
土官(とかん):漢民族以外の民族の酋領に与えられる官職。
都御史(とぎょし):監察を担う中央省庁を都察院の長官。
都指揮使(としきし):省レベルの軍事長官。
土舎(としゃ):土官の一族の豪族。
土巡検司(とじゅんけんし):県よりも小さい行政単位。
都督(ととく):軍部の長官。
土目(ともく):豪族。
内閣首輔(ないかくしゅほ):いわば内閣総理大臣。
日本一鑑(にほんいちかん):一五六〇年頃鄭舜功著の日本についての研究書。
備倭把総指揮(びわはそうしき):省レベルの武官の沿海部防衛長官。
府指揮使同知(ふしきしどうち):府の軍事副長官。
同知(どうち)と判官(ほうがん):同知は知府知州に次ぐポスト、判官はその下。
両広総督(りょうこうそうとく):広東・広西の軍政・民政にまたがる長官。
流官(るかん):土官に対することばで、中央から派遣される官吏。
倭変事略(わへんじりゃく):海塩県の役人采九徳が記した倭寇の記録。

■関連動画

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