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本ページでは他サイト等に掲載された大薗治夫の過去の著作物を再掲しています。

Kayumanis(カユマニス)南京



上海から南京へはCRHでわずか2時間弱


広いリビングルーム


二面全てガラス張りのベッドルーム


建物の瓦は江南風だ


フルーツもミニバー内もタダ。水は全て青島の崂山ブランド


夕暮れも美しい


敷地内の樹木はまだあまり育っていない


アフタヌーンティのシュークリームはちょっと……


レストランはわずか6テーブルのみ


隣の温泉リゾート


隣の温泉リゾートの「農家嫩千叶」は結構いける

リ島に3つのスパ・リゾートをもつカユマニス(Kayumanis)が南京にオープンしたという。

蘇州や杭州でなく、何でまた南京??

というのが第一印象だけど、どうやら答えは温泉らしい。南京には有名な温泉地、その名も「湯山」というところがあり、カユマニス南京はそこに位置する。各ビラでプライベイトな天然温泉を楽しめる、それが最大のウリなわけ。

2007年6月にオープンしたこのリゾートの存在を知った1週間後、さっそく行ってみた。前日の夜、上海駅に行って上海-南京往復のCRHの切符を購入(21時頃の切符売り場はガラガラですんなり買うことができた)。そして深夜カユマニスのウェブサイトで予約を入れた。宿泊予約を後にしたのは、南京駅でピックアップしてもらう時間を確定するため。平日はガラガラなので、切符は買ったけど宿がとれない、なんてことはまずない(結局その日に泊まったのは僕だけ。21あるビラを独占、である)。

上海9:45分発のCRHは南京までノンストップで最高時速200km/時でかっと飛ばし、わずか1時間58分でつく。南京駅では改札を出たところでインドネシア人のバトラーが待っていてくれた。南京駅からリゾートへは片側4車線の快適かつバカ広い高速を通って40分ほど。ちなみに送迎の車は宿泊料に込みで、車内ではオシボリとドリンクの無料サービスがある。

湯山はどうやらまだ開発途上のようで、高速道路を降りてからはしばらく工事現場のようなところを走る。リゾートのまわりには、ちょうど隣に大きな温泉リゾート(健康ランドのようなところ。多数の温泉風呂を楽しめる)があるが、その他には人家も畑も何もない。

ロントのある建物でチェックインの後、電動カートでビラへ向かう。チェックインの時、わざわざ支配人が挨拶にきて、そのまま部屋までついてきた。

ビラの広さにはちょっと驚いた。今まで泊まったどのスパリゾートに比べてもずいぶんと広い。リビングと寝室が別棟になっていて、その間にガラス張りの通路がある。寝室とその通路が一直線でリビングの建物が直角につながり、ちょうど「L」字形になっている。豪華な家具が揃えられたリビングにはキッチンや大型の液晶テレビ、ソファ、ダイニングなどがある。備え付けられたオーディオはBOSE制。寝室にも大型液晶テレビがあり、執務用デスクなどもある。インターネットはワイヤレスで部屋の中はもちろんジャグジーに入りながらだって使うことができる。ミニバーの中身は飲み放題。昼に減らした分は夜には補充してくれる。同様にコンプリメンタリーのフルーツバスケットも、その日のうちに補充してくれた。

L字の右上の空間にジャグジーと縦10メートル・横5メートルほどのプールがある。このジャグジーが天然温泉。到着時は湯は張られておらず、入りたい時にバトラーに頼んで湯を入れてもらう。ただ、かけ流しというわけではないので時間が経てば冷めてしまう。温泉好きの日本人としては到着時・夕食後・翌朝起床後と3回は入りたいが、そのたびにいちいちバトラーを呼ぶのも面倒。方々さぐってみたら隣のビラとの間の壁に湯と水を出すバルブがあるのを発見し、以降は冷めては自分でお湯を出して温泉につかった。周辺のビラやビラ間の道からは見えないので水着を着る必要もなく、素っ裸になることができる。

プールは夏以外は冷たくてとても入れないが、リビングから見ると奥の池に溶け込むように見え景観の一部になっている。

のようにビラについてはなんとも満足なのだけど、その他にはちょっと不満な事項も。。。

それを最初に感じたのは夕方に届けられるコンプリメンタリーのアフタヌーンティ。コーヒーを頼んだところ、ぬるいし、ポットで持ってきた割にはカップ1杯分しかなく消化不良気分。ケーキに添えられたシュークリームは硬いしチョコ味がキツイしでとても食べられなかった。

リゾート内にはレストランが一つあり、そこで夕食をとった。入り口の壁に女性の顔が何十も描かれている。夜中に一人でこの壁の前にたつことができる人は相当の勇者である。食事のうまい・まずいの評価は控えるけれども、すくなくともスープがぬるく(プレートを触ってみたら冷たかった)、またメインのツナステーキは空腹だったにもかかわらず3分の2くらいを残してしまった。ヌーベルシノワ、と分類されるであろうレストランで、ワインリストにはいくつかのワインが並んでいたけれどもグラスでワインがおいていないので、一人ではワインを飲むことができない。各テーブルにはキャンドルがおかれているが、どのテーブルも、なぜか火がつけられることはなかった。6つしかないテーブルには僕の他にもう一人客がいたが、店員が彼のテーブルに着席して話しこんでいるのでどうやら関係者らしい。タバコをスパスパ吸うので思わず離れた席に移ってしまった。まったくもって“ヌーベルシノワ”ではある。

パは、オイルマッサージ+ボディスクラブ+フラワーバスの120分でUSD90と、上海のバンヤンツリーなどにくらべればずいぶんとお得感がある。そこそこ満足できたけれども、セラピストが男性だったのがイマイチ。こういうスパで男性にマッサージされたのは初めてである。南京市では異性がマッサージをしてはいけないとかの規制があるのではと思い、チェックアウト時に訊ねてみたところ、そういうわけでもないらしい。一般的に男には男がマッサージをするのだとか。ただこれでは、カップルで来た人は困るだろう。このリゾートの利用のほとんどは欧米人ということで、欧米の女性はあまり気にしないのかもしれないけど、やまとなでしこも中国女性も男性セラピストのいる部屋では施術は受けられないんじゃないかなぁ。カップルでいく場合は事前に女性によるマッサージをリクエストしたほうがいいように思う。

あと、フラワーバスはぬるすぎ。夏はいいかもしれないけど、ボディスクラブでちょっと冷えた身体にはきつい。風邪をひきそう。

辺には基本的に何もないので、長期滞在はしんどいようにも思うが、いくつかの娯楽もあるにはある。隣接する温泉リゾートは歩いて5分ほどなので、多彩な風呂につかりにいったり(128元/人)、2食目はここに食事に行ってもいいだろう(意外にも結構うまい)。近くにゴルフ場がありリゾートと契約があるというので予約してもらってラウンドするのもいい。リゾートのすぐ裏に緑深い丘があり、トレッキングもできるらしい。また、車を気楽に出してもらえるので、南京の歴史探訪に出かけてみるのもいい(車は湯山エリア内なら無料)■

(2007年11月記)

DATA

Kayumanis Nanjing Pribate Villa & Spa
カユマニス南京プライベイトビラ&スパ

ADD:南京市湯山鎮寺庄村
TEL:(025)84107777
URL:http://www.kayumanis.com           
FEE:
- プライベイトビラ(1ベッドルーム) USD499
-プライベイトビラ(1ベッドルーム)ウィズビュー USD599
-レジデンスビラ(2ベッドルーム) USD699
-レジデンスビラ(2ベッドルーム)ウィズビュー USD799
  (税・サービス込み料金、送迎・朝食・アフタヌーンティ込み)
12歳以下宿泊不可




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